PCニュース

【2026年8月31日】自作PCニュースまとめ|メモリ500%高騰・SSD不足・DLSS強化

※本記事は2026年8月16日〜8月29日の期間の自作PC関連ニュースをまとめたものです。特に断りのない価格・数値は原則として記事執筆時点の情報です。「考察」として記載している部分は現時点の情報にもとづく推測であり、外れた場合は後日追記・訂正します。参照先は記事末尾にまとめて記載しています。

【更新頻度のお知らせ】
これまで月1回でお届けしていた自作PCニュースを、今回から隔週に切り替えます。パーツ価格の動きが月単位でまとめるには速すぎるためです。分量は月次版より短く、注目3本+その他5本の構成でお届けします。

この2週間は、メモリとストレージの数字が「そういう時代なんだ」と受け入れざるを得ない領域に入った2週間でした。海外ではDDR5メモリが12か月で最大約500%上昇したと報じられ、SSDは1台あたりの平均単価が前年比で約3倍になるという予測が出ています。

一方で、明るい材料もありました。NVIDIAがGamescom 2026に合わせて、手持ちのGPUの画質を底上げする「DLSS 4.5」を提供開始しています。パーツが買えないなら、今あるものを良くする——そういう方向の話が現実味を帯びてきました。前回の月次版(2026年8月号)で触れたGPU・マザーボードの値上げは、その後も基調が変わっていません。

今回の注目ニュース3選

① メモリ価格、12か月で最大約500%上昇。DDR4は逆に値下がりする「ねじれ」も

【何があったか】
8月17日、DDR5メモリの価格が過去12か月で最大約500%上昇したと報じられました。具体例として、128GB(DDR5-6400)のキットが3,399ドルに達しており、これは過去に記録された最安値のおよそ10倍にあたります。8月24日には、定番の32GB(DDR5-6000)キットが400ドルに到達したことも報じられました。同じ製品が過去には80ドル台で売られていたモデルです。DDR4も無傷ではなく、16GB(DDR4-3600)キットが120ドルから307ドルへと約156%上昇しています。

市場全体の数字も出ています。8月26日の調査会社レポートによれば、韓国のDRAM輸出単価は8月1〜20日の集計で前年同期比401%増、輸出額は504.8%増。ドイツのDDR5小売価格指数は1年強で4.86倍になったとされています。

国内の実売価格はどうか。8月22日時点の秋葉原の調査では、DDR5-5600の32GB×2組が前回調査から約1万円上がって89,980円。一方でDDR4-3200の32GB×2組は約1万円下がって64,980円、8月23日には59,980円の特価も出ています。

【考察】
結論から言うと、DDR5は「待てば下がる」局面ではなく、DDR4の値下がりは喜べる話ではありません。

まず海外と国内の差について。前年比400〜500%という海外の数字に対して、国内の実売は数週間で1万円前後の動きです。これは国内が安全だという意味ではなく、流通在庫と為替のタイムラグで反映が遅れているだけと考えるのが自然です。卸価格が上がって小売価格が下がることはありません。

より気になるのはDDR4とDDR5のねじれです。同じメモリでありながら、DDR5が上がってDDR4が下がっている。

ここは推測になりますが、これは駆け込み需要の反動と見ています。DDR5の高騰を受けて「それならDDR4環境で安く済ませよう」と考えたユーザーが一時的に流れ込み、DDR4の需要が押し上げられた。その波が一巡して、価格が一定の水準に落ち着いた——という流れです。

注意したいのは、これは「DDR4が安くなり始めた」のではなく「一時的に上がった分が戻った」だけだという点です。前年比で見ればDDR4も156%上昇しており、水準そのものは高いまま。ここからさらに下がるには、供給が実際に増えるといった、もう少しパンチのある材料が必要になります。値下がりトレンドの入り口と考えるのは早計でしょう。

もうひとつ、8月22日には「あるショップのDDR5販売ページで、自動購入ボット(転売目的の買い占めプログラム)が人間の購入者を10対1で上回っている」という報道も出ています。在庫が出た瞬間に消える現象は、需要の強さだけでなくこうした要因も混ざっていると見ておくべきでしょう。

【日本のユーザーはどうすべきか】
前号と同じ結論ですが、根拠が増えたので改めて書きます。32GB(16GB×2)を一度で確定させてください。「16GBで組んで後から足す」は、価格が上昇基調にある局面では総額が増えるうえ、数か月後に同じ型番のキットが手に入る保証もありません。デュアルチャネル(2枚組で動かして帯域を稼ぐ構成)を維持するには同一キットが望ましいので、揃えられるうちに揃えるのが合理的です。容量や規格の考え方はメモリの選び方にまとめています。

なお、いまDDR4環境(AM4やLGA1700の一部)を使っている方にとっては、価格が落ち着いている今の水準が直近では買いやすいタイミングです。ただし前述のとおり、ここからさらに下がる材料は今のところ見当たりません。増設の予定があるなら、様子見の理由は薄いと考えています。

② ストレージ市場が「法人優先」へ。SSDの平均単価は前年比約3倍の予測

【何があったか】
8月26日、SSD市場の需給を扱ったレポートが公開されました。調査会社の2026年予測では、SSDの1GBあたり単価が4月時点の0.104ドルから7月時点で0.247ドルへ、わずか3か月で156.5%上方修正されています。1台あたりの平均単価は前年比297%増、市場金額は同304%増の見込みです。

注目したいのは出荷台数です。台数の予測は−0.9%から+1.8%へとほぼ横ばいのまま。しかし内訳を見ると、エンタープライズ(法人・データセンター)向けが+30.3%、PC向けは−3.56%、産業機器その他が+21.7%と大きく分かれています。さらにNAND不足の影響で需要がHDDに流れ、HDDの出荷成長率予測が3.2%から5.4%へ引き上げられました。

法人向けの価格水準も出ています。8月21日の報道では、30TBのエンタープライズ向けTLC SSDが22,600ドル。同容量のHDDが1,216ドルなので、容量単価で18.6倍の開きです。同じSSDは1年前には3,460ドルだったとされ、1年で6.5倍になった計算になります。

【考察】
この数字の組み合わせが示しているのは、「個人がSSDを買わなくなった」のではなく「個人に回す分が減った」ということです。

根拠は台数と単価の関係にあります。出荷台数がほぼ横ばいなのに平均単価が約3倍になる、という状態は、需要が消えた市場では起こりません。需要が減ったなら在庫が余って単価は下がるはずです。台数が変わらず単価だけ跳ね上がっているのは、限られた生産量をより高く買う相手(=法人)に優先的に配分していると読むのが自然です。エンタープライズ+30.3%に対してPC向け−3.56%という内訳が、それを裏づけています。

そしてHDDの成長率が上方修正されたことは、地味ですが大きな変化です。ここ数年「大容量データもSSDで」という流れが続いていましたが、価格差が18.6倍まで開けば、用途によってはHDDに戻すのが合理的になります。実際、ニアラインHDD(データセンター向けの大容量HDD)は2027年分まで完売しているとの報告もあります。

【日本のユーザーはどうすべきか】
容量を欲張るより、役割で分けてください。OS用のドライブは1TB前後のTLCのGen4 NVMe SSDで十分です。ここでQLCを選ぶのはおすすめしません。QLCは書き込みが続いたときの速度低下が大きく、書き込み耐性(TBW)もTLCより低いためです。値上がり局面では「同じ価格でQLCなら倍の容量」という選択肢が魅力的に見えますが、OS用に限ってはTLCを維持したほうが体感も寿命も安定します。

ゲームや動画などの大容量データは、いまの価格差ならHDDとの併用が現実的な解になってきました。TLCとQLCの違いやGen4・Gen5の実用差はSSDの選び方で詳しく整理しています。

③ NVIDIA、DLSS 4.5「Ray Reconstruction」を提供開始(Gamescom 2026)

【何があったか】
8月25日、NVIDIAがGamescom 2026に合わせてDLSS 4.5のRay Reconstructionを公開しました。DLSSはAIで低い解像度の映像を高解像度に再構成し、フレームレートを稼ぐ技術です。そのうちRay Reconstructionは、レイトレーシング特有のノイズをAIで除去して画質を整える部分を担当します。

今回のアップデートでは、第2世代のTransformerモデルを採用。従来より演算量が35%増え、扱うパラメータも20%増えた一方で、パフォーマンスは同等の水準を維持しているとされています。対応するのはすべてのGeForce RTXシリーズで、NVIDIAアプリの更新経由ですでに利用可能。正式リリースは2026年9月の予定です。

【考察】
値上げ一色だった今号のなかで、これは数少ない「持っているハードの価値が上がる」ニュースです。

ただし内容は正確に押さえておく必要があります。今回の変更は「同じ画質でフレームレートが上がる」方向ではなく、「同程度のフレームレートで画質が良くなる」方向の改善です。演算量35%増でパフォーマンス同等、という説明がそれを示しています。フレームレートが足りなくて困っている人の解決策にはなりません。

それでも意味が大きいのは、恩恵を受ける対象が広いからです。RTXシリーズ全世代が対象なので、GPUを買い替えられない状況にある人ほど効きます。GPU価格が上がり続けている以上、数千円の投資でもなく、無料のソフトウェア更新で画質が上がるというのは、今の相場では相当に費用対効果の高い選択肢です。

なお恩恵が出るのはレイトレーシング/パストレーシングを使うタイトルに限られます。それらを使わないゲームでは体感差はほぼありません。ここは期待しすぎないほうがいいところです。

【日本のユーザーはどうすべきか】
RTXシリーズを使っているなら、NVIDIAアプリを最新に更新しておいてください。それだけで対応タイトルの画質設定が一段良くなります。「新しいGPUが買えないから何もできない」という状況ではない、というのが今回の実務的な結論です。

その他のニュース

  • デスクトップCPUの出荷が前年比20%超の減少、AMDはシェア約34.9%で過去最高
    市場調査会社の2026年第2四半期データ。x86全体ではAMD 30.7%/Intel 69.3%、サーバー向けはAMD 34.5%。減少の理由として、DDR5・SSD・マザーボード・GPUが軒並み上がりシステム総額が押し上げられたことが挙げられています。
  • 次世代CPU、IntelとAMDが相次いで方向性を明確化
    Intelは8月16日、次期アーキテクチャの新CPUコアをサーバーではなくデスクトップ(Nova Lake)に先行投入すると明言しました。AMDは8月26日、自社の技術資料でZen 6世代のデスクトップ「Olympic Ridge」がSocket AM5対応であることが確認されています。AM5は2029年までのサポートが表明されており、現行AM5環境の寿命を測るうえで重要な材料です。
  • Windows 11の8月更新でゲームが落ちる問題、MicrosoftがRGB関連を名指し
    更新プログラムKB5121003の適用後、ゲームの強制終了やブルースクリーンが報告されました。Microsoftは「RGBライティング機能を持つ周辺機器や内部パーツとの関連を調査中」と説明(8月20〜22日)。原因はRGB制御ソフトが導入するカーネルドライバとされています。複数メーカーの制御ソフトを同時に入れている環境ほど当たりやすい問題です。
  • Seasonic、世界初の80 PLUS Ruby認証ATX電源を発表
    「PRIME Enterprise RX-1600」(1600W/ATX 3.1)。Ruby認証は負荷10%で91%、20%で93%、50%で95%といった低負荷帯の効率が要件で、実測は10%負荷93.35%、20%負荷95.38%。価格は未発表です(8月20日)。低負荷時の効率が問われる規格なので、アイドル時間が長い一般用途にも本来は効いてくる方向性です。
  • VAIO、個人向けPCを9月18日出荷分から値上げ
    メモリ半導体の需要拡大で部材価格が高止まりし、現行価格の維持が難しくなったためと説明されています。同社は2026年4月にも値上げしており、今年2回目。改定後の価格は9月18日に直販サイトで公開予定です(8月28日発表)。

今回のまとめ

今回の2週間は、値上げのニュースが「予告」から「実際の数字」に変わった期間でした。海外指標の前年比400〜500%という数字と、国内実売の数週間で1万円という数字は、同じ現象の別の断面です。実務的な結論は3点です。

  1. メモリは32GB(16GB×2)を一度で確定させる。後から足す前提は、価格でも入手性でも不利になります。
  2. ストレージは容量より役割で分ける。OS用は1TB前後のTLC・Gen4で固定し、大容量データはHDD併用に戻すほうが総額を抑えやすい局面です。
  3. 買い替えられないなら、手持ちを整える。DLSS 4.5の更新は無料で画質が上がります。あわせて、複数メーカーのRGB制御ソフトが混在している環境は今回のWindows不具合の当たりやすい条件なので、この機会に整理しておくと安全です。

次回は9月中旬、9月上旬までの動きをまとめてお届けします。

参照

  • Tom's Hardware『Memory prices climb 500% in 12 months, up to 10x the lowest-ever tracked prices — 128GB of DDR5 now $3,399』
    https://www.tomshardware.com/pc-components/ram/memory-prices-climb-500-percent-in-12-months-up-to-10x-the-lowest-ever-tracked-prices-128gb-of-ddr5-now-usd3-399
  • Tom's Hardware『32GB of DDR5 6000 RAM now costs $400』
    https://www.tomshardware.com/pc-components/ddr5/32gb-of-ddr5-6000-ram-now-costs-usd400-the-latest-price-hike-puts-diy-pc-building-further-out-of-reach-than-ever-before
  • Tom's Hardware『Scalper bots now outnumber human shoppers 10 to 1 on one retailer's DDR5 pages』
    https://www.tomshardware.com/pc-components/ddr5/scalper-bots-now-outnumber-human-shoppers-10-to-1-on-one-retailers-ddr5-pages
  • TrendForce『South Korea's DRAM Prices Reportedly Soar 12.5-Fold in 3 Years, Outpacing Gold』
    https://www.trendforce.com/news/2026/08/26/news-south-koreas-dram-prices-reportedly-soar-12-5-fold-in-3-years-outpacing-gold
  • AKIBA PC Hotline!『DDR5メモリは上昇の動き、DDR4メモリは「DDR4-3200」は32GB×2枚組の特価が59,980円に[8月後半のメモリ価格]』
    https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/price/monthly_repo/2135576.html
  • PC Watch『【福田昭のセミコン業界最前線】SSDの極端な不足と値上がりで大きく混乱するストレージ市場』
    https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/semicon/2135590.html
  • Tom's Hardware『Enterprise SSDs now cost 18 times more than hard drives per terabyte』
    https://www.tomshardware.com/pc-components/ssds/enterprise-ssds-now-cost-18-times-more-than-hard-drives-per-terabyte
  • NVIDIA『GeForce at Gamescom 2026: DLSS 4.5 Ray Reconstruction & More』
    https://www.nvidia.com/en-us/geforce/news/gamescom-2026-nvidia-geforce-rtx-dlss-4-5-announcements/
  • KitGuru『Analysts note 20% drop in desktop CPU shipments during Q2 2026』
    https://www.kitguru.net/components/cpu/joao-silva/analysts-note-20-drop-in-desktop-cpu-shipments-during-q2-2026/
  • Tom's Hardware『Intel says it will launch new core with Nova Lake on desktop first, not in data center』
    https://www.tomshardware.com/pc-components/cpus/intel-says-it-will-launch-new-core-with-nova-lake-on-desktop-first-not-in-data-center-vp-robert-hallock-hopes-enthusiasts-do-the-math-compared-to-amd
  • Guru3D『AMD Confirms Zen 6 Olympic Ridge and Medusa1 Processors for Socket AM5』
    https://www.guru3d.com/story/amd-confirms-zen-6-olympic-ridge-and-medusa1-processors-for-socket-am5/
  • BleepingComputer『Microsoft: August Windows updates may cause gaming issues, reboots』
    https://www.bleepingcomputer.com/news/microsoft/microsoft-august-windows-updates-may-cause-gaming-issues-reboots/
  • Tom's Hardware『Microsoft blames RGB peripherals for crashing Windows 11』
    https://www.tomshardware.com/software/windows/microsoft-blames-rgb-peripherals-for-crashing-windows-11-rgb-software-is-causing-blue-screens-crashes-and-game-freezes
  • Tom's Hardware『Seasonic introduces the world's first 80 Plus Ruby certified PSU using a standard ATX form factor』
    https://www.tomshardware.com/pc-components/power-supplies/seasonic-introduces-the-worlds-first-80-plus-ruby-certified-psu-using-a-standard-atx-form-factor
  • PC Watch『VAIOが9月に値上げ。部材高騰で価格維持が困難に』
    https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/2136108.html

パーツ選びは決まったけれど組み立てに不安がある、という方向けに、組み立て代行を承っています。前職は大手BTOメーカーの品質管理担当で、自作歴は10年以上です。

▶ 組み立て代行サービスを見てみる

-PCニュース
-, , , ,