自作PC

7800X3D×Noctua版RTX 5080のメインPC|静音と10GbEで組んだ構成実例

※ 本記事にはアフィリエイトリンクを含みます。紹介している機材はすべて筆者が実際に使用しているもので、選定は報酬額とは関係ありません。

筆者が普段使っているメインPCの構成を紹介します。CPUはゲーム向けのRyzen 7 7800X3D、グラフィックボードはNoctuaのファンを載せたASUSのRTX 5080です。ファンをできるだけNoctuaでそろえた静音寄りの構成で、マザーボードの10GbE(10ギガビットのLAN)でNASとつないでいます。

先に結論を書くと、この構成の要点は3つです。ゲーム向けのCPUと、ファンの音が静かなグラフィックボードを組み合わせたこと、メモリは2枚で動かしつつ、空きスロットを光るダミーモジュールで埋めたこと、PCの中にはドライブを1台だけ置き、保存と共有はNASに任せたことです。以前紹介したサブPC(BD795M)とは考え方がかなり違うので、最後に両者を比べます。

この記事の数値について:製品の仕様は、各メーカーの公式ページで2026年10月に確認したものです。温度やベンチマークの結果は筆者の環境で測定したもので、室温やケース内の配置で変わります。
HAVN BF 360 Flowに組んだメインPC
ケースはHAVN BF 360 Flow。前面の溝の奥に180mmファンが2基入っている

構成

パーツ 製品 ひとこと
CPU AMD Ryzen 7 7800X3D 3D V-Cache搭載のゲーム向けCPU
CPUクーラー EK-Nucleus AIO CR360 Dark 360mmの簡易水冷。ファンはNoctua NF-A12x25 G2に交換
マザーボード ASRock X870 Taichi Creator 10GbEを搭載
メモリ CORSAIR DOMINATOR TITANIUM
CMP64GX5M2B6000C30W
DDR5-6000 CL30・32GB×2。空きスロットにはダミーモジュール
グラフィックボード ASUS RTX5080-O16G-NOCTUA Noctuaのファンを3基載せたRTX 5080
SSD Monster Storage MS950G75PCIe4-02TB 2TB・TLC。PC内のドライブはこの1台だけ
電源 Seasonic VERTEX PX-1200 1200W・80PLUS Platinum・フルモジュラー
ケース HAVN BF 360 Flow 前面に180mmファンを2基搭載
ケースファン ケース付属(前面180mm×2・背面140mm×1) 交換せずに使用
OS Windows 11 Pro —

使い方と、ここまでの組み替え

用途はゲームが中心です。このブログで紹介しているアプリゲームのほか、モンスターハンターのような大作から、星の翼のようなインディータイトルまで、ジャンルを問わずに遊んでいます。

今の形になるまで、何回かに分けてパーツを入れ替えてきました。

  • 2025年:発表された時から待っていたASRockのX870 Taichi Creatorを、予約が始まってすぐに購入。これに合わせて、ほぼ新しく組み直しました。それまではIntelのCore i7-13700KFとMSIのマザーボードの組み合わせです。前のPCからはSSDとグラフィックボード(ASRockのRX 6950 XT Taichi)を移し、OSはクリーンインストールしています
  • 2025年(組み直しの後):Noctuaのファンを載せたRTX 5080が手に入ったのをきっかけに、グラフィックボードと電源を交換。この時点のケースはCORSAIRの7000D AIRFLOWでした
  • 2026年:HAVN BF 360 Flowの国内発売(4月24日)を待って、ケースを交換

グラフィックボードをNVIDIA製に替えた理由は、Noctuaのモデルが手に入ったことに加えて、手元にNVIDIAのグラフィックボードが1枚もなく、1枚欲しかったからです。

メインPCのケース内部
ケースの中。トップにラジエーター、中央にRTX 5080、左に背面の140mmファン

CPUとマザーボード

Ryzen 7 7800X3D:ゲーム向けのCPU

Ryzen 7 7800X3Dは、3D V-Cacheという技術でL3キャッシュ(CPUの中にある高速な一時保存領域)を96MBまで増やした8コア16スレッドのCPUです。キャッシュが大きいとゲームの処理で有利になりやすく、3D V-Cacheを載せたCPUの中から、価格とのバランスで選びました。TDP(発熱の目安)は120Wです。

▼ 使っているCPU

X870 Taichi Creator:10GbEを載せたマザーボード

マザーボードはASRockのX870 Taichi Creatorです。発表された時から購入を決めていて、予約が始まってすぐに注文しました。選んだ理由は10GbEのLANを最初から載せていることで、10GbEのポートと5GbEのポートを1つずつ備えています。10GbEを後から足すにはLANカードが別に必要になるので、最初から載っているマザーボードはコストパフォーマンスが高いと判断しました。

X870 Taichi Creatorの背面端子(10GbEと5GbE)
背面の端子。黄色が5GbE、ケーブルを挿している赤い端子が10GbE

▼ 使っているマザーボード

メモリ:2枚で動かして、空きはダミーで埋める

メモリはCORSAIRのDOMINATOR TITANIUM(DDR5-6000 CL30・32GB×2)です。選んだ当時、CL30前後のメモリを2枚で使うことを前提にしていました。

DDR5は、4枚挿すと動作速度が下がりやすいのが弱点です。AMDは7800X3Dのメモリ仕様として、2枚ならDDR5-5200、4枚ならDDR5-3600を上限にしています。容量を増やすつもりがなければ、2枚で使うほうが速度の面では有利です。

ただ、2枚だけだとスロットが2本空いて、見た目が寂しくなります。そこで使っているのが、CORSAIRが公式に出しているダミーモジュールです。DOMINATOR TITANIUMと同じ見た目でLEDも光りますが、メモリのチップは載っていません。ダミーモジュールはシステム上メモリとして認識されないので、動作上は2枚挿しのままです。これを空きスロットに挿すことで、4枚挿しで速度が下がるのを避けながら、スロットの空きをなくしています。

DOMINATOR TITANIUMの実メモリとダミーモジュール
4本のうち2本がダミーモジュール。見た目では区別がつかない
補足:BIOSではメモリの設定をEXPO1(メモリメーカーが用意した設定)にしているだけで、ほかの項目は標準のままです。マザーボードがこのメモリの設定に対応しているので、DDR5-6000でそのまま動作しています。

▼ 空きスロットに挿しているダミーモジュール(メモリは載っていません)

グラフィックボード:Noctuaのファンを3基載せたRTX 5080

グラフィックボードはASUSのRTX5080-O16G-NOCTUAです。冷却ファンにNoctuaのNF-A12x25 G2を3基使ったモデルで、国内では2025年8月29日に発売されました。

Noctuaのファンを載せたグラフィックボードは、静かさを重視する人向けのモデルです。そのぶん大きく、厚さは4スロット分、長さは385mm、重さは2.68kgあります。ケースを選ぶときは、長さだけでなく厚さと重さも確認しておく必要があります。

ASUS RTX5080-O16G-NOCTUA
Noctuaカラーのファンを3基載せたRTX 5080。下に見えるのは「ASUS × noctua」のロゴ入りの支え

▼ 使っているグラフィックボード

電源はSeasonicのVERTEX PX-1200(1200W・80PLUS Platinum・フルモジュラー)です。容量に余裕があり、モジュラーケーブルの選択肢があるモデルとして選びました。ASUSはこのグラフィックボードの推奨電源を850Wとしています。

▼ 使っている電源

冷却:Noctuaのファンでそろえる

簡易水冷はファンだけNoctuaに交換

CPUクーラーはEKの簡易水冷、EK-Nucleus AIO CR360 Darkです。水冷パーツで知られるEKの、よく冷える簡易水冷として選びました。ラジエーター(冷却液の熱を逃がす部分)はケースのトップに付けて、排気にしています。

ラジエーターのファンは、付属品からNoctuaのNF-A12x25 G2に交換しました。付属のファンでも冷却は十分でしたが、ファンをNoctuaでそろえたいというこだわりで替えています。グラフィックボードと同じファンです。3基のうち2基は、回転数をわずかにずらした2個セットのSx2-PPで、残りの1基は単品です。3基とも回転数が少しずつ違うので、並べたときの「うなり」を抑えるというSx2-PPの考え方を、3基でも生かせています。Sx2-PPの仕組みは、サブPCの記事で詳しく書いています。

EK-Nucleus AIO CR360 DarkとNoctuaファン
トップのラジエーターに付けたNoctua NF-A12x25 G2が3基

▼ 使っている簡易水冷

▼ ラジエーターに付けた120mm(2個セット)

▼ ラジエーターに付けた120mm(単品)

ケースファンは付属品のまま

ケースのHAVN BF 360 Flowには、前面に180mmファンが2基、背面に140mmファンが1基付属しています。前面の180mmファンは厚さ40mm、背面の140mmファンは厚さ30mmで、どちらも一般的な25mm厚より厚いモデルです。

本当はケースファンもNoctuaにそろえたかったのですが、Noctuaには180mmのファンがないため、前面は付属品のままにしています。背面の140mmはNoctuaに替えることもできますが、付属の30mm厚のファンの性能に不満がないので、あえて交換していません。背面のファンは、トップのラジエーターと同じく排気にしています。

▼ 使っているケース

ストレージとネットワーク:PCの中は1台、保存はNAS

SSDはMonster StorageのMS950G75PCIe4-02TB(2TB)です。かなり安く買えた時期に手に入れたもので、それ以来ずっと使っています。NAND(データを記録するチップ)はTLCなので、OS用のドライブとして使ううえで心配の少ないタイプです。

PCの中のドライブは、このSSD 1台だけです。ほかのデータの保存や、PC同士での共有はNASで行っています。

ネットワークは、ルーターから10GbE対応のスイッチングハブを通してPCにつないでいます。このハブは冷却用のファンが付いているタイプで、ファンはNoctuaの40mmファンに交換しました。

実測:普段の環境でどこまで出るか

普段使っている環境のまま、ベンチマークを回しました。BIOSの設定は、メモリのEXPO1以外は標準のままです。

テスト スコア 最高温度
CINEBENCH R23 マルチ 16,771 pts CPU 78.0℃
CINEBENCH R23 シングル 1,774 pts マルチの78.0℃を超えず
3DMark Time Spy Extreme 13,135
(Graphics 16,667/CPU 5,969)
GPU 61.9℃
(ホットスポット 73.8℃)
アイドル(平均) — CPU 44.2℃/GPU 27.8℃

測定:2026年10月19日、室温23℃。Windows 11 Proの普段使いの環境で、アイドル→CINEBENCH R23 マルチ→シングル→3DMarkの順に測定しました。温度はHWiNFOを測定中ずっと動かしたときの最高値です。シングルの温度は、先に回したマルチの最高値を超えなかったため、シングル単独の最高値は分けていません。

CINEBENCH R23の結果
CINEBENCH R23の結果(マルチ16,771pts・シングル1,774pts)
3DMark Time Spy Extremeの結果
3DMark Time Spy Extremeの結果(総合13,135)
HWiNFOで記録した温度とGPUファンの回転数
すべてのテストを終えた時点のHWiNFO。「最大」の列が測定中の最高値

結果から読み取れること

温度には余裕があります。CPUはCINEBENCH R23のマルチで最高78.0℃、GPUは3DMarkで最高61.9℃でした。測定中、HWiNFOのサーマルスロットリング(高温で性能を落とす動作)の項目は「いいえ」のままです。サブPCのように温度の上限を設定しなくても、標準の設定のままで使えています。

グラフィックボードは静かです。3DMarkを回している間も、GPUのファンは最高で1,025rpm・1,042rpm(2基のセンサー値)でした。アイドルでは0rpmで、ファンが止まっています。このとき、GPUの電力は最高349.9Wに達していました。

3DMarkの結果画面には、同じ組み合わせのハードウェアの平均として13,092が表示されていました。今回の13,135は、ほぼその平均どおりの結果です。

考察:CINEBENCH R23のスコアは、16コアのサブPC(マルチ32,026pts)のほうが約1.9倍高く出ています。3DMarkのCPUスコアもサブPC(10,186)のほうが上です。どちらもコア数が多いほど伸びやすいテストなので、8コアの7800X3Dが不利になるのは自然な結果です。7800X3Dの特長である大きなL3キャッシュは、こうしたテストより実際のゲームで効いてくると考えられるため、ゲーム向けのCPUを比べるときは、ゲーム内のフレームレートで比べるほうが向いています。

サブPC(BD795M)との違い

同じ人が組んだPCでも、メインとサブでは考え方がかなり違います。

項目 メインPC サブPC
CPU Ryzen 7 7800X3D
8コア16スレッド
Ryzen 9 7945HX
16コア32スレッド
考え方 ゲーム向けのCPUと静音性を優先 手持ちの部品を活かして、マルチタスクに強く
メモリ DDR5 64GB(デスクトップ用) DDR5 SO-DIMM 48GB(手持ち品)
グラフィックボード RTX 5080 RX 9060 XT 16GB
ケース ミドルタワー Micro-ATXのコンパクトケース
CINEBENCH R23 マルチ 16,771 pts 32,026 pts
CINEBENCH R23 シングル 1,774 pts 1,917 pts
3DMark Time Spy Extreme
Graphics
16,667 7,035
3DMark Time Spy Extreme
CPU
5,969 10,186

メインPCは「やりたいことに合わせて新しく選んだ構成」、サブPCは「手元にある部品から組んだ構成」です。ベンチマークでも、グラフィックの性能はメインPCが約2.4倍(16,667÷7,035)、CPUのマルチスレッド性能はサブPCが約1.9倍(32,026÷16,771)と、得意な分野がはっきり分かれました。サブPCの数値はサブPCの記事で、温度の上限を80℃にした状態で測ったものです。

この構成の弱点

  • 費用がかかる:グラフィックボードだけで、国内の発売時の想定価格は税込27万3,800円でした
  • グラフィックボードが大きく重い:4スロット厚・長さ385mm・2.68kgあり、入るケースが限られます
  • PCの中のドライブが1台だけ:保存をNASに任せているので、NASやネットワークが止まると影響を受けます
  • ダミーモジュールは見た目のための出費:性能は上がりません。スロットの空きが気にならなければ不要です
まとめ:ゲーム向けのRyzen 7 7800X3Dと、Noctuaのファンを載せたRTX 5080を中心に、ファンをできるだけNoctuaでそろえた静音寄りのメイン機です。メモリは速度が落ちにくい2枚で動かし、空きスロットはダミーモジュールで埋めました。PCの中はSSD 1台にして、保存と共有は10GbEでつないだNASに任せています。

パーツは一度にそろえる必要はありません。このPCも、組み直し、グラフィックボードと電源、ケース、と時期を分けて入れ替えてきました。

パーツ選びや組み立てに不安がある方は、組み立て代行・トラブル相談も受け付けています。

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参照元

  • AMD公式 Ryzen 7 7800X3D製品ページ(コア数・L3キャッシュ・TDP・メモリ仕様/2026年10月時点)
    https://www.amd.com/ja/products/processors/desktops/ryzen/7000-series/amd-ryzen-7-7800x3d.html
  • ASRock公式 X870 Taichi Creator製品ページ(LANの仕様/2026年10月時点)
    https://www.asrock.com/mb/AMD/X870%20Taichi%20Creator/index.jp.asp
  • ASUS公式 RTX5080-O16G-NOCTUA仕様ページ(サイズ・スロット数・電源コネクタ・推奨電源/2026年10月時点)
    https://www.asus.com/jp/motherboards-components/graphics-cards/asus/rtx5080-o16g-noctua/techspec
  • PC Watch「Noctuaファンで静音仕様なGeForce RTX 5080ビデオカード。ASUSから」(国内発売日・想定価格・搭載ファン/2025年8月28日公開、2026年10月参照)
    https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/2042503.html
  • CORSAIR公式 DOMINATOR TITANIUM DDR5 Lighting Enhancement Kit製品ページ(メモリチップを搭載しないこと/2026年10月時点)
    https://www.corsair.com/ww/it/p/pc-components-accessories/cmplekit2g/dominator-titanium-ddr5-lighting-enhancement-kit-gray-cmplekit2g
  • エルミタージュ秋葉原『EKWB、引き締まったオールブラック仕様のAIO水冷「EK-Nucleus AIO CR360 Dark」など2製品』(ラジエーターの寸法・付属ファン/2023年4月4日公開、2026年10月参照)
    https://gdm.or.jp/pressrelease/2023/0404/483088
  • アスク公式 HAVN BF 360 Flow製品ページ(付属ファン・ラジエーター対応・GPU長/2026年10月時点)
    https://www.ask-corp.jp/products/havn/middle-pccase/bf-360-flow.html
  • Seasonic公式 VERTEX PXシリーズ製品ページ(80PLUS認証・ATX規格・モジュラー方式/2026年10月時点)
    https://seasonic.com/vertex-px/
  • 価格.com MS950G75PCIe4-02TB スペック(NANDの種類/2026年10月時点)
    https://kakaku.com/item/K0001579880/spec/

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